巷では、今回の武道館の観客動員に対してあーでもないこーでもないと議論が交わされているようですが、実際に発表された9000人という数字だけを見ると、だいぶ厳しかったんだなぁと感じてしまうのは当然のことですよね。
しかしながら、生観戦した際の館内の客入りは、確かに2階席の後方は空席が目立ちましたが、それは昨年後半にもよく見掛けた光景だし、もっと酷い時もあったようにすら思える。
それよりも、アリーナの座席数が減ったことが動員1万人を割ったことに大きく影響しているのではないかと感じました。
実際に入場ゲート正面にビジョンを設置したことにより、その周辺の暗幕エリアが明らかに広がっているように見えました。
加えて、東側と西側の通路奥にもビジョンが設置されたことにより、これまでそのエリアに陣取られていた記者席及び中継ブース席がアリーナ席後方部分へと移動していました。
以上のようなビジョン設置に伴っての南側の暗幕エリア及びアリーナ席後方部分の座席数減少がまず大きな要因として挙げられるのではないかと思います。
なので、9000人という数字だけを見て、すぐさま全体の動員が落ちたと考えるのは少し短絡的なんじゃないかって気がしています。
また新日との対抗戦を組んだのに、あれだけしか入らないなんて…と必要以上に悲観的になっている方もいましたが、
これも今のご時世、対抗戦がポンとマッチメイクされたからと言って、無条件で集客UPに繋がるほど甘いもんじゃないと思います。
対抗戦というのはただ組めばいいってわけじゃなく、決戦に至るまでのプロセスが大事だと思うんですよね。
その辺のストーリー作りや舞台を整える作業は昔からノアは下手クソなんです。
この対抗戦は、当然同時進行で新日本を舞台にしても展開されているわけですが、どちらが盛り上がっているかと言えば明らかに新日側の方だと思います。
次の大阪大会でも、杉浦vs後藤、潮崎vs岡田という魅力的なカードを切ってきました。この辺も5日の後楽園での流れを汲んでの素早い対応です。
それに比べて、今回の武道館での新日側との2試合の対抗戦は、どちらも唐突過ぎる印象が強かった。
まず何のキッカケかよく分からないまま平柳がライガー&金本を挑発して、それにライガー達が反応して、すぐさま武道館で対戦決定!
なんでしょう、この陳腐な流れ…。これじゃせっかくの平柳のキャラに合わせた挑発でも言わされてる感丸出しだし、
対するライガー&金本もかつての対抗戦時の殺気や緊張感はどこへやらのやらされてる感丸出しの試合を“無難にこなす”有り様…。
天山だって、同郷の先輩で憧れの小橋さんとの対戦願望を口にしたはいいが、いざ向かい合ったのは復帰して3日目では話題なんか作れないし、
街で偶然会った時に握手を求めてしまう程の天山の秘めたる小橋さんへの想いも、当日会場にいるファンに伝わる訳がない。
やるならやるで、もっとよく考えて練ってからにしなきゃ選手もファンも盛り上がらないってことです!
ライガー&金本をもってしても今回のような陳腐な流れでモチベーションが上がらずにあんな感じになるのなら誰を呼んでも無駄ってことになります。
普通に考えて武道館クラスの会場でやるならば、まず後楽園クラスの会場等でぶつかってネクストを期待させる流れを作った上での決着戦!
そうでもなければ、トップ同士の刺激的初遭遇とかじゃなければ、いたずらに魅力的なカードや選手の価値を消費するだけのものになりかねない。
今回の流れなんかは、図らずも今までノアがどれだけ地上波放送という威光に依存していたかを露呈する恰好になってしまった気がします。
地上波でやっている時は、対して練らずに時間をかけなくても、多くのファンに認知してもらえましたからね。
逆に言えば今はその時より何倍も宣伝や流れに力を入れなきゃいけないんだという現実を早く受け止めて欲しいと思います。
実際に地上波終了後初の武道館大会でこういう結果が出たわけですからね。
そして、9000人という発表を受けて、ホラ見たことかと訳知り顔でネガティブキャンペーンを実施し出す輩は、ほうっておくとして、それに感化されて批判ばかりをしている方には、もっと前向きになって建設的な意見で議論を交わしてもらいたいと思います。
いつものように話がとっちらかっちゃいましたが、自分の見解としては9000人発表だからと言って、必要以上に悲観することはない!
けれども、上記にあるような対抗戦に至るプロセス等の重要性など、地上波撤退に伴う根本的な意識改革をフロントに早急に求めたい!
選手は頑張っているんだから、もっと会社がちゃんとしてくれ!!
その想いをより一層強くさせられた大会でした。